医院コラム
歯科で見つかる骨粗鬆症!?
こんにちは。歯科医師の中原です。 パノラマX線写真から骨粗鬆症が見つかる可能性!歯科ではパノラマX線写真といって、顎全体が写るレントゲン写真があります。このパノラマX線写真は全体的な歯の状態、歯を支える骨の状態、顎の関節の状態を診ることを主な目的として撮影します。ただ、このレントゲン写真はその他にも顎の骨の中の病変、蓄膿の兆候、頸動脈の動脈硬化などさまざまな情報が得られます。 歯科医師はこのような情報を各患者様から読み取って問題ないかを確認しています。このパノラマX線写真から、全身の骨粗鬆症が見つかる可能性があるのです! 骨粗鬆症ってどんな病気?まず、骨粗鬆症とは骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
日本には約1000万人以上の患者さんがいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。 骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。特に足の骨の骨折の後は元通り歩けなくなると、運動量が減って寝たきりに近づくことが考えられ、生命予後に関わると言われています。 太ももの付け根の骨折の場合、その後5年の生存率は60%程度との報告があり、これは4割の方は骨折後5年以内に亡くなる可能性があるということです。やはり、骨折する前に骨粗鬆症を発見して早期に治療を始めることが大事だと思います。 実際のパノラマX線写真最初に記載したパノラマX線写真では、下顎の骨の硬い部分の厚みを計測することで、骨粗鬆症の可能性を検出します。 左の写真は当院歯科助手(20代・女性)、右の写真は院長のお母様(70代・女性)のものです。 この厚みが少なかったり、ボソボソになっているなどの見た目を勘案して骨粗鬆症のリスクを判別します。もちろんこのレントゲン写真で骨粗鬆症が100%わかるわけではありませんが、可能性が高いか低いかはある程度決められるのです。 もし骨粗鬆症の可能性が高く、その怖さをご存知であれば、きっとかかりつけの内科などの病院で詳しく調べてもらいたくなりますよね! 年一回程度、定期的に確認当院では、このレントゲンは定期的にメンテナンスを受けていただいている患者様には年一回程度、定期的に撮影して確認しています。ぜひ歯科医院に通院して、全身の健康もより良くして行きましょう。目指せ健康長寿!! 歯科医師 中原 |