医院コラム
「オーラルフレイル」「口腔機能低下症」を知っていますか?
歯磨きの回数が減ったり、入れ歯の不調があっても歯科医院に行かなかったりすると、虫歯や歯周病(歯槽膿漏)が進行し歯の数が減ってしまいます。すると、栄養の偏りやエネルギーの不足になり、全身の健康に影響を及ぼします。 オーラルフレイルとは?「オーラルフレイル」とは、英語で「オーラル」は「口腔」、「フレイル」は「虚弱」という意味で「オーラルフレイル」とは口腔機能の衰えが全身の老化につながる、という考え方です。「口腔機能低下」はオーラルフレイル概念図の「第3レベル:口の機能低下」に位置づけられています。 オーラルフレイル概念図 こんな症状はありませんか?以前に比べて、こんな症状はありませんか?
①食べ物が口に残るようになった 「口腔機能低下症」の検査・診断ができます口腔機能低下とは、加齢により口腔内の「感覚」「咀嚼」「嚥下」「唾液分泌」等の機能が少しずつ低下してくる症状です。口腔機能低下が進行すると、摂食障害や咀嚼機能不全など経口摂取を著しく障害する状態に陥ってしまいます。 歯科医院内および訪問診療時に「口腔機能低下症」の検査・診断ができます。 対象の方は、50歳以上の方、また、50歳未満の脳卒中やパーキンソン症等を有する疾患の方になります。 口腔機能低下は虫歯や歯周病、歯の欠損、入れ歯の不適合などでも起こりますが、加齢や疾患による全身状態の低下や栄養障害によっても起こります。 検査項目は、 ①口腔衛生状態不良検査 ②口腔乾燥の検査 ③咬合力低下の検査 ④舌口唇運動機能低下の検査 ⑤低舌圧の検査 ⑥咀嚼機能低下の検査 ⑦嚥下機能低下の検査 結果、「口腔機能低下症」と診断された場合は、口腔機能低下の悪化を予防し、回復を目指します。 栄養摂取バランスの低下は、フレイルや全身機能の低下に口腔機能の低下は、栄養摂取バランスを阻害します。炭水化物の摂取量が増加し、たんぱく質、ビタミン、ミネラル摂取が不足しやすくなります。栄養摂取バランスの低下は、フレイルや全身機能の低下につながります。 口腔機能の回復や維持が大切です口腔機能低下と向き合い、患者様が自らの生活の中で口腔機能の回復や維持などの目標に向けて取り込むことが大切です。全身状態や生活環境・生活習慣を踏まえ日常生活における適切な口腔清掃指導、日々の食事において摂取する食品や食形態の提案、食具や姿勢などの食事環境、食事方法など、実施可能な簡単な口腔機能訓練を含めたセルフケアの指導や助言を行います。 歯科医師 齋藤 |