こんにちは!鳴門市の和田歯科医院の歯科衛生士 兼 歯科技工士の日下です。
歯のトラブルといえば「虫歯」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、「歯周病」も見逃せない大きな問題です。
その鍵を握るのが「歯周ポケット」です。今回はその重要性やケアについてお話します。
歯周ポケットって何?
「歯周ポケット」とは、歯と歯茎の間にできる溝のことをいいます。
健康な状態では1〜3mmの深さです。ここが深くなると歯周病が進行しているサインです。ポケットが深くなると、細菌が住み着きやすくなり、結果として歯を支える骨にも影響が及びます。初期段階では痛みがなく進行するため、自分では気づきにくいのが難点です。
歯周病の原因は?
歯周病の主な原因は、細菌の塊であるプラーク(歯垢)です。このプラークが長期間にわたって歯と歯茎の間に残ると、歯石に変わり、歯周組織への影響を及ぼします。
他にも喫煙やストレス、偏った食生活、口呼吸などが原因となることもあります。

歯周ポケットが深くなるメカニズム
- 歯垢(プラーク)の蓄積と炎症:
歯と歯茎の間に歯垢が溜まると、細菌が繁殖して歯茎に炎症を引き起こします。
- 歯茎の腫れ、退縮:
炎症が進行すると歯茎が腫れたり、歯から剥がれたりすることで、ポケットが深くなります。
- 歯周組織の破壊:
さらに炎症が進行すると、歯を支える歯槽骨が破壊され、ポケットの深さは増していきます。
歯周病の進行ステージ
- 歯肉炎:歯茎が赤く腫れ、出血しやすくなりますが、痛みはあまりありません。
- 軽度歯周炎:歯周ポケットが深くなり、噛むと痛みやぐらつきを感じます。ポケットの深さは3〜4mm程度です。
- 中等度歯周炎:支えている骨が破壊され始め、歯がぐらつくようになります。ポケットの深さは4〜5mmになります。
- 重度歯周炎:骨の破壊が進み、歯が抜けるリスクが高まります。ポケットの深さは6mm以上になります。

歯周病のリスクを軽減するホームケア
- ブラッシング:
ソフトなブラシで歯茎を刺激しながら、歯の表面に付着した細菌を除去します。電動歯ブラシも効果的に使えます。
- デンタルフロスと歯間ブラシ:
毎日の使用を習慣化することで、歯と歯の間に詰まったプラークを効果的に取り除くことができます。歯周病は歯と歯の間から進むことが多いのですが、歯ブラシだけでは歯と歯の間までは汚れが取りきれません。歯周病のケアのためには必ず歯間ブラシやフロスが必要です。
- 口腔リンス:
歯磨き後に使用することで、口腔内の細菌を減少させ、息をすっきりさせます。
歯周ポケットのチェックとプロフェッショナルケア
歯周ポケットは自分で測ることができないため、歯科医院でのチェックが欠かせません。
定期的なプロフェッショナルクリーニングでは、表面上見えない部分のプラークや歯石を除去し、歯周ポケットを健康に保ちます。
また、特に歯周病が進行している場合は、スケーリング・ルートプレーニングといった専門的な治療が必要となることもあります。

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まとめ
家庭でのケアは歯の健康を守る基本ですが、定期的な歯科検診でのプロフェッショナルな視点からのチェックもとても重要です。潜在的な問題を早期に発見できるため、歯科医師や歯科衛生士とともに口腔内全体を見直す機会を設けましょう。
また、ストレス管理や禁煙、栄養バランスのとれた食生活も歯周病予防には大切なポイントです。毎日の暮らしの中で少しずつ意識していくことで、歯も体も健康に保つことができます。
お口の健康は全身の健康に繋がります。ぜひご自宅でのケアとあわせて、定期的な歯科検診も取り入れていただけると嬉しいです!
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歯科衛生士 兼 歯科技工士 日下
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