歯の神経をとるといわれた方へ
歯の痛みがおさまらず、歯科医院で「歯の神経をとる必要があります」と説明を受けたことはありませんか?それって本当に必要な処置なの?神経をとって大丈夫なの?と不安になられた方もいらっしゃると思います。今日は、そんな「歯の神経の治療」についてご説明します。 歯の内側には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経と血管が分布する部分があり、普段は歯の感覚や栄養供給を担っています。その大事な空間にまで広がってしまった感染や炎症を取り除く処置こそが「根管治療(こんかんちりょう)」、つまり神経をとる、と一般的にいわれる処置です。 1.治療の目的歯髄に感染や炎症が広がってしまった時に、汚染された部分を排除することで、歯を保存し、これにより歯を健康な状態に保つことを目的としています。 2.歯髄の検査歯髄の健康状態を評価するための検査は、主に以下の5つの方法です。
これらの検査結果から総合的に判断し歯髄の状態を評価します。あてはまる場合、早期の検査と治療が重要となります。 3.手順根管治療は通常、以下の手順で行われます。 a.歯の麻酔(必要時) b.ラバーダム装着 c.歯の内部にアクセス d.歯髄の除去:専用の道具で取り除きます。 e.洗浄 貼薬or密閉:根管内を洗浄し、薬を入れます。キレイになったタイミングで最終的な薬を入れ、再度細菌が侵入しないように蓋をします。 当院では「ラバーダム」と「マイクロスコープ」いう道具を使って、根管治療を行っています。ラバーダムによって、唾液の侵入を防ぐことができますし、裸眼では見えない細かい汚れも、マイクロスコープがあれば確認できます。また、必要な場合は歯科用のCT撮影を行い、歯の形態をより精密に確認することも可能です。 4.早期治療の重要性感染が進行すると、歯を残すためのオプションが限られてしまうことがあります。なるべく神経を残したいというお気持ちも大変よく分かりますが、適切な時期に適切な治療プランを立てることが大切です。神経をとるといわれると不安な部分もあると思いますが、それが結果的に痛みを取り除き、歯を守ることにもつながります。適切な根管治療で、ぜひ歯をキレイに保ちましょう。 歯科医師 川野 |