医院コラム

お子様の歯を守りたい!「シーラント」ってどんな方法?
こんにちは、鳴門市の和田歯科医院の歯科衛生士 寒川です。 本日は、シーラントについて、お話しいたします。 シーラントとは?シーラントとは、汚れが溜まりやすくて虫歯リスクの高い奥歯の溝を、あらかじめプラスチックの材料で塞ぐ処置によって汚れが溜まらないようにし、虫歯を予防するという方法です。歯の溝をシールする(封をする)方法なので「シーラント」と呼ばれています。 シーラントの材料の中には、虫歯予防効果、再石灰化を促進する作用のある『フッ素』が含まれているので、特に生えてきたての子どもの歯に対して虫歯予防効果が期待できます。具体的には、奥歯のかみ合う溝(咬合面)にシーラント材を流し込み、特殊な光でかためて、溝を埋めていきます。溝を埋めると言っても、ほんのわずかな量を流し込むため、かみ合わせやお食事などの普段の生活で違和感が出ることはありません。 専門の道具や薬剤を使って、歯の溝をきれいにクリーニングして、ごく少量のシーラント材を流し込むだけなので、麻酔をしたり削ったりなどの痛みを伴うことはありません。シーラントは、保険治療で行える予防方法です。 シーラント処置の流れ
この工程によって、シーラントは歯に強固に結合し、持続性が向上します。 ![]() ![]() シーラントのメリット①虫歯菌が悪さをしにくい歯の形態をつくる 虫歯菌は空気を嫌い、狭いところに入り込んでいく特徴があります。歯の溝は細菌の溜まり場となるので、シーラントを使って溝を埋め、虫歯菌が悪さをしない環境を整えます。 ②歯ブラシが当てやすくなる 細菌は歯ブラシの毛よりも小さいです。よって、歯ブラシでは届かない隙間にも入り込んでしまいます。シーラントをすることで細菌が溝に入り込まず、歯ブラシの毛先で細菌を除去することができます。 ③フッ素が含まれている シーラントはグラスアイオノマーセメントと言われる材料でできていて、フッ素徐放性があります。フッ素が留まってくれるので歯を守ってくれます。 シーラントのデメリット①絶対に虫歯にならないというわけではない 虫歯予防に効果があるからといって油断してはいけません。虫歯は多因子疾患といわれていて、様々な原因が重なった時に虫歯が発生します。シーラントやフッ素で歯を強化することはもちろん、しっかりブラッシングをして、食生活を整えることも大切です。虫歯になりやすい部位は「歯の溝」以外にも「歯と歯の間」「歯と歯茎の境目」などが挙げられます。子どもの歯を守るためには、そういったところもしっかりケアする必要があります。 ②シーラントが外れることもある シーラントは一時的なものです。途中で外れてしまうことや欠けてしまうことがあります。そのままでも問題ないこともありますが、プラークがたまりそうな形態であればやり直していくことも必要です。仕上げ磨き時に確認してみてください。 ③シーラント後も定期検診が必要 歯医者でもシーラントが欠けていないか、外れていないかを定期的にチェックしていきます。また、虫歯が問題ないかのチェックや噛み合わせに影響がないかなども診ていきます。定期検診の際にフッ素塗布も併せて行うことで、より高い虫歯予防効果が期待できるでしょう。 まとめ奥歯の溝は磨きにくいため食べかすや汚れが溜まりやすく、虫歯リスクが高い部分です。奥歯の咬合面にある溝やくぼみにシーラント処置を施すことで、食べかすや汚れ、細菌の侵入を防ぎます。特に子どもの歯は虫歯菌など細菌への抵抗力が弱いです。生えて間もない永久歯が虫歯になると、急速に進行し、結果的に歯を削って治療することもあるでしょう。 シーラントが必要かどうかは、歯の形態(溝の深さ)や虫歯リスク(遺伝的要素、生活習慣など)から判断します。シーラント処置は子どもへの負担も比較的少ないため、奥歯が生え始めたらシーラントを行ってお口の健康を守りましょう。 歯科衛生士 寒川 |

