歯周病と全身疾患~糖尿病との関係について~
歯科医師の齋藤です。 糖尿病の分類糖尿病がある方については、歯周病の有無やその重症度、歯科治療の実施は重要なポイントとされます。 ①1型糖尿病1型糖尿病は主に自己免疫学的機序により、膵臓にあるインスリンを分泌するβ細胞が破壊され、このため血糖値が高くなります。典型的には若年者に発症し、治療にはほとんどの場合インスリン注射が不可欠です。 ②2型糖尿病2型糖尿病は糖尿病患者の大多数を占め、生活習慣病の一種と言われ1型糖尿病とは全く異なる症状になります。2型糖尿病の原因は、遺伝的な影響に加えて、食べすぎ、運動不足、肥満などの生活習慣的な影響があると言われています。多くは中年以降に発症するとされていましたが、最近では小児・若年者にもこの2型糖尿病が増加しています。 ③その他の特定の機序、疾患によるものその他の特定の機序、疾患によるものは、糖尿病以外の病気やお薬の影響で血糖値が上昇し、糖尿病を発症することがあります。 ④妊娠性糖尿病妊娠性糖尿病とは、「妊娠中にはじめて発見または発病した糖尿病には至っていない糖代謝異常である」と定義されています。妊娠中は比較的軽度な糖代謝異常でも母児に大きな影響を与えやすいため、管理には特別な配慮が必要です。 糖尿病の診断について糖尿病の診断は静脈血漿で血糖値を測定します。血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。 検査ではブドウ糖負荷試験という方法で行われ、これはブドウ糖を溶かした水を飲んだ後、時間ごとに採血し血糖値を測定します。 (※糖尿病の典型的症状とは口渇、多飲、多尿、体重減少。) 2型糖尿病では、HbA1cが6.5以上になると、歯周病を発症する可能性が高くなり、歯周病の治療により血糖も改善する可能性がある、というエビデンスもあります。 HbA1cを目安にした治療の目標は、
高齢糖尿病患者の血糖コントロール目標は、日常生活のレベルや合併症、認知症の有無などにより個々に設定されます。 当院は歯周病治療を積極的に実施しております当院は日本糖尿病協会登録医に登録されており、歯周病治療を積極的に実施しております。 糖尿病の患者様が歯周病を発症していないか、また歯周病の患者様が糖尿病を合併していないかについて、かかりつけ医または内科医との医科歯科連携を取らせていただいております。歯周病を早期発見して治療に繋げることで糖尿病による重症化を予防することが目的となります。 当院では、無料で簡易血糖測定器での検査も実施しております。是非お受けになってください。 歯科医師 齋藤 |