医院コラム
酸蝕症(さんしょくしょう)から歯を守る
こんにちは、歯科医師の川野です。 このような食習慣の方、酸蝕症かもしれません鏡でご自分の歯を見てみてください。このように大きなくぼみがあったり、根元からすり減ったりしていませんか?実際にこの写真の歯のような患者様にくわしく食生活をお聞きすると、「お酢が身体にいいと聞いて毎晩飲んでいる」「すだちを毎日食べている」という方が多くいらっしゃいます。もしも、同じような食習慣の方がいましたら、あなたも酸蝕症かもしれません。 驚くことに、酸性ではない環境下でエナメル質を1mm削ろうとすると、歯ブラシの力だけでは2500年かかるのに対し、口腔内が酸にさらされた状態で歯ブラシと歯磨剤を併用すると、たったの2年で同じ量が削れてしまうという報告もあります。 酸性の状態が続くことが、歯にとってどれほどよくないことかお分かりいただけると思います。 このような環境が続くと歯が薄くなり、しみる、痛みが出るといった症状が現れ、治療が必要になってきます。また大きなくぼみの場合、食べかすがたまりやすく綺麗に保つことが難しくなります。症状が少ないこともありますが、一度失ったエナメル質は再生しないため、早期の対策やこれ以上進行させないための予防が重要です。 どんな予防と対策ができる??酸蝕症の予防と対策には、以下のような方法が有効です。 1. 飲食物の選び方酸性の高い飲食物(炭酸飲料、柑橘類、酢の入った食品)の常飲は控えるようにしましょう。酸性の食品を摂取した後は、水を飲むなど口をゆすいで口内の酸を中和するよう気をつけましょう。 2. 歯磨きのタイミング酸性の食べ物や飲み物を摂取した場合は、直後に歯磨きをするのは避けるべきです。酸によって一時的にエナメル質が柔らかくなっているため、すぐに磨くとさらに傷つける可能性があります。少なくとも30分~1時間は間隔を空けるようにしましょう。 3. フッ素の使用フッ素配合の歯磨き粉を使用することで、エナメル質を強化し酸によるダメージを軽減できます。フッ素ジェルやフッ素洗口剤の使用もおすすめです。 4. 口腔ケアの習慣化歯ブラシを使用し、優しく磨くようにしましょう。硬すぎるブラシや強い力での歯磨きは、酸蝕症が進行している歯にダメージを与えることがあります。 5. 歯科定期検診の推奨酸蝕症の早期発見と治療のために、定期的な歯科検診を受けましょう。 何かご不明な点がありましたら、和田歯科スタッフまでお尋ねください。 歯科医師 川野 |